何冊よめるかな?

本棚の肥やしと化した本たちを供養するため始めたブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

来年の目標

今年も今日でおしまい。振り返ると、今年は試練の年だった。姉が発病し、私自身もまぁまぁの病をした。でも、仕事の上で、新たに向かうべき方向を発見できた年でもあった。来年は日本経済もよくなりそうだし、いい年になりますように。 当ブログを振り返って…

27冊目 アップデートする仏教

『アップデートする仏教』 藤田一照 山下良道 共著、読了 私は、特別な信仰は持っていない。けれど、宗教、中でも仏教には少なからず興味がある。特に原始仏教については、最新の宇宙物理学や脳科学に通じるところがあるようで、ことさら関心がある。そんな…

26冊目 やさしい人物画

『やさしい人物画』 A.ルーミス 著、読了 絵が描けるひと、楽器を演奏できるひとをうらやましいと思う。私もいつか、絵が描ける人間になれたらいいなと思う。絵画のモチーフにもいろいろあるだろうけど、私は、やはり「人間」を描いたものが好きだし、実際、…

25冊目 アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(Kindle版) F・K・ディック 著 / 浅倉久志 訳、読了 『ブレードランナー2049』を観に行くに当り、『ブレードランナー』(ファイナルカット版)を復習していたのだが、やはり私にとっては、少し難しい映画だった。ひと…

ブレードランナー2049

『ブレードランナー2049』 ドゥニ・ヴィルヌーヴ 監督を観た。 私が年間、映画館に足を運ぶのは、ほんの数回程度でしかない。だが、本作は劇場で観ないわけにはいかんでしょう!! とはいえ、私は「ブレラン上級者」というわけではない。前作はまだ4回しか観て…

24冊目 がん 生と死の謎に挑む

『がん 生と死の謎に挑む』 立花隆 NHKスペシャル取材班 著、読了 今や日本人のふたりに一人が罹患するという病気、がん。母も2年前に患った。そんな身近な病気について知りたいと思い、本書を手に取った。 読み終わったのは、約2ヶ月前。読み終えて、最も勉…

リリーのすべて

『リリーのすべて』 トム・フーパー監督、観了。 世界で初めて性別適合手術を受けた、リリー・エルベを描いた映画。学友の紹介で本作を観る運びとなった。 美しい映画だった。 昔、長距離バスに乗っているとき、ふと「女と死体。男にとってより近しいのはど…

オリジナリティ

これまでのありとあらゆる死を踏まえ新しい死を提案する詩

23冊目 教団X

『教団X』 中村文則 著、読了。 もう3年くらい前だろうか、ラジオの中で鈴木敏夫が本書のことを絶賛していた。それ以来、興味を持っていた。その後も、西加奈子や又吉直樹、若林正恭らが本書を賞賛しているのを知るにつけ、いつか文庫化したら読もうと思って…

22冊目 アーティスト症候群

『アーティスト症候群』 大野左紀子 著、読了 「カエサルの休日」の中で、パーソナリティのお一人であるダニエルさんが、紹介されていたので手に取った。 読み終えたのは3ヶ月以上前なので、はっきりとしたことは覚えていないが、なぜ「芸術家」ではなく「…

わかってほしい

幽霊がここにいるよと告げたくて手指(ゆび)を使ってつくる足跡

青空

透明を重ねて作る青空の青によく似た心と心

21冊目 モモ

『モモ』M.エンデ 著、読了 最近、一冊の本を完読する集中力が衰えてしまった。最後まで読み終えた本の感想しか記さないというルールを設けたために、なかなかブログを更新できずにいた。でも、衰えた私をして最後まで読み切らせるほどの名著を読み終えたの…

最近買った2枚のCD

自分でも音楽をやっていたころ、つまり、主に学生の頃は、仕送りもバイト代もほとんどすべてCDに注ぎ込んでいた。でも、そんな生活も今は昔、特に定額音楽サービスを利用するようになってからは、すっかりCDを買うという習慣をなくしていた。 でも、音楽だけ…

20冊目 冬の鷹

『冬の鷹』 吉村昭 著、読了 居島一平、加藤陽子両氏の影響で、にわかに歴史に興味を持った私は、楽しく歴史のお勉強に取り組めるよう、歴史小説を読もうと思った。そこで何を読んだらいいのか、しばらく迷っていたが、綿密な取材に定評のある吉村昭がいいの…

19冊目 憂鬱と官能を教えた学校(上)

『憂鬱と官能を教えた学校(上)』 菊地成孔 大谷能生 著、読了。 私が尊敬する数少ない人物の一人が著者(菊地)である。私はまた、音楽にも関心がある。そんなところから本書を手に取った。手に取ったのは今回で2回目だ。 本書は、「バークリーメソッド」を中…

18冊目 科学哲学の冒険

『科学哲学の冒険』戸田山和久 著、読了。 先日読んで、今、私が関心を持っていることを整理するために、非常に示唆的な一冊だったので、再読した。以前、はじめて読んだときよりは格段に理解が進んだと思う。ただ、内容や感想は、もう少し読みこなせてから…

17冊目 自分はバカかもしれないと思ったときに読む本

『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』 竹内薫 著、読了。 自分はバカかもしれない、と私は常々思っている。一冊の本を読んで、それがすんなり身につくなら、どんなにいいだろうと思う。本を読めば読んだだけ知識が蓄積できるなら、学ぶことはこの…

16冊目 カラー版 西洋美術史

カラー版『西洋美術史』 高階秀爾 監修、読了。 こんなはずじゃなかっただろう 歴史が僕を問い詰める(『青空』真島昌利) そうなのだ。歴史は私たちを問い詰める。問い詰めるというと大げさかもしれないが、現在は近い過去から生まれる。全き可能性の中から…

15冊目 絵はすぐに上手くならない

『絵はすぐに上手くならない』 成冨ミヲリ 著、読了。 学生時代、ギターがうまくなりたいと思っていた。でも、周囲には教則本とかで学ぶのはカッコ悪いという雰囲気があった。ストリート・ワイズというのか、お勉強をするのではなく、実践の中で体得していく…

14冊目 幻獣標本箱

『幻獣標本箱』柄本創 著、読了。 GW前に、友人がプレゼントしてくれた本。 以前、『ろくろ首の首はなぜ伸びるのか』という本を読んだことがある。10年以上の前のことなので、内容はほとんど憶えていないが、ろくろ首などの空想上の生物の身体的特性を、現実…

13冊目 氣の呼吸法

『氣の呼吸法』藤平光一 著、読了 2月に体調を崩してから、未だに調子が完全には戻っていない。本書の副題は「全身に酸素を送り治癒力を高める」というもので、呼吸法を取り入れることで本来の体調を取り戻せればと思い、本書を手に取った。 私は以前から、…

12冊目 談志の十八番

『談志の十八番 必聴!名演・名盤ガイド』 広瀬和生 著、読了 落語に滅法詳しい芸人のサンキュータツオさんが、確か本書を推薦図書として挙げていた気がする。それで本書を手に取った。 子供の頃、祖父の膝の上で、テレビで演っている落語をよく見たものだ。…

11冊目 とめられなかった戦争

『とめられなかった戦争』 加藤陽子 著、読了 著者は歴史学者。NHKの番組に出演されているのを何度か見て、その上品なお人柄に惚れてしまった、という少々情けない動機から本書を手に取った。もうちょっと崇高な動機としては、近現代史は、現在の私たちの社…

10冊目 科学哲学の冒険

『科学哲学の冒険』 戸田山和久 著、読了 私は著者のファンだ。今までにも何冊か戸田山先生の著作を読んできた。私は戸田山節が好きなのだ。 正月から戸田山先生の『哲学入門』を読んでいる。非常に興味深い本だ。入門書とはいいながら、内容はとても濃い。…

8、9冊目 神々の山嶺

『神々の山嶺』(上)(下) 夢枕獏 著、読了。 ホンタナというpodcastで絶賛されていて、本書に興味を持った。ホンタナ内で、触れられていた著者のあとがきに強く関心を惹かれた。そのあとがきを引用してみる。 書き終わって、体内に残っているものは、もう、な…

7冊目 喜嶋先生の静かな世界

『喜嶋先生の静かな世界』 森博嗣 著、読了 友人の彼女さんがオススメしてくれた本。 著者の半自伝的な小説。研究者としての日常が描かれている。とりたてて大きな事件が起こるわけでもなく、淡々とした日々の物語が綴られてゆく。 日記とは、本来、誰かに読…

6冊目 ヨブ記

『旧約聖書 ヨブ記』 関根正雄 訳、読了 2月上旬、姉が難病であることが判明した。そこに運命の理不尽さを感じた私は、同じく理不尽な神の試練に苦悩し続けたというヨブの物語のことを思い出し、この機に読みたいと思った。 読んでみての率直な感想は、今回…

5冊目 この世界の片隅に

『この世界の片隅に』(上)(中)(下) こうの史代著、読了 先週末、高熱を出し、療養している床の中で読んだ。 私は悪い意味でのニヒリストだ。人間なんてチッポケで、弱っぽしくて、愚かで、醜い生き物だ。世界は生きるに値するなんて思えない。 でも、ときど…

4冊目 龍馬史

『龍馬史』 磯田道史 著、読了。 昨年の下旬、米粒写経の居島一平さんの動画にハマってから、にわかに歴史に興味を持つようになった。昨年末、歴史好きの友人にそのことを話したら本書をプレゼントしてくれた。 本書は坂本龍馬に焦点を絞り、彼の生涯を追う…