13冊目 どんな本でも大量に読める「速読」の本
宇都出雅巳 著『どんな本でも大量に読める「速読」の本』読了
一言でいえば、「ゼロではない」ということだ。
とにかく本を眺めながら、パラパラとページをめくる。理解しようとか、解釈をはさもうとせず、ただ、物理的にページを繰る。難しそうだとか、時間がないとかいって、ページを開かずいるよりも、少しは本の中身を知ることができる。
y=ax で、a>0 のとき 、y>0 となる。
a=読まない=0 のとき、y=0 となる。
速読とは、そういうもののようだ。
本書の特色は、例え a が0.001でも、繰り返し読むことでことで a の値を増やすことができる、ということを主張している点だろう。今までにも著明な文筆家の読書論を読んできたが、この点を明確に打ち出している点で、本書は、速読の入門書として最適だと思う。
私は以前から、「質より量」が数少ないこの世の真理のひとつなのではないか、とおもっていたが、本書はそうした私見を補強してくれる内容だった。子どものころに覚えたドラクエの呪文を、すべていまだに諳んじられるのは、子どもの記憶力が優れているわけではなく、ほぼ毎日のように、攻略本を眺めては楽しんでいたからだと思うのだ。
速読した本を「読んだ」と表現することに、私は抵抗を感じてしまうので、速読した本や部分的にしか読んでいない本は、当ブログでは取り上げてないルールだが、速読には、速読なりの効用があることを、知ることができ、読書が、また一段と楽しくなりそうだ。