何冊よめるかな?

本棚の肥やしと化した本たちを供養するため始めたブログ

5冊目 占星術殺人事件 改訂完全版 ※ネタバレあり

占星術殺人事件 改訂完全版』 島田荘司 著、読了 

 先日、急に身内の付き添いで病院に行くことになった。病院に行くときは、待たされるのが常であるため、必ず本を一冊持っていくのだが、このときは、ほんとうに急だったため、カバンに本を入れ忘れてしまった。案の定、かなり待たされる羽目になりそうだったため、病院の売店で、本を買うことにした。品揃えにはあまり期待していなかったものの、本書を見つけたので、即購入。本書については、居島一平氏が、トークライブの中で触れており、いつか読んでみたいと思っていたからである。(なので、「銀英伝」は、ちょっとおやすみになってしまった)

【あらすじ】ある画家が殺された。彼は6人の女性の身体から、それぞれ一部分づつを切り取って、「完全な肉体」を持つひとりの女性(アゾート)を創作しようと計画していた。 彼の死後、娘たちが、次々と身体の一部分を失った死体として発見される。猟奇的な計画をたてた画家はすでに死んでいる。では、誰が……

 私は、ふだんほとんどミステリーを読まないので、自分で謎を解こうなんて思って読んでいはいなかった。でも、複数の遺体を組み合わせることで、5人の遺体を6人分に見せかけることができるんじゃないの?と漠然と思いながら読んでいた。そしたら、その通りのトリックだったので、驚いてしまった。当然、細かいトリックがすべて解けたというわけではないし、まぁ、これはビギナーズ・ラックというか、ミステリーのいろはを知らないがゆえに、かえってミス・ダイレクションにはまらずに済んだため、正解に近づけたのだと思う。

 そんなことより、(たぶんまちがっていると思うが)「ローラーコースター・リーディング」というのだったか、とにかく、いちど読み始めたら、ページをめくる手が止まらなくなる、という読書体験を、久しぶりにした。最初、画家の遺した猟奇的な殺人計画が示されるのだが、そこで占星術に関する理論が展開され、彼が自分の計画の正当性を主張する部分は、特に面白く読めた。このあと、どんな物語が展開するのだろう、とドキドキ、ワクワクしながら、逸る気持ちを抑えつつ、一行一行を読んでいく、というのは、あるいは、はじめての体験だったかもしれない。普段は、読んんでは立ち止まり、あれこれ考えたりするのが、好きだったりもするものだから。そういう意味で、とても新鮮な読書体験ができた一冊だった。

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)