何冊よめるかな?

本棚の肥やしと化した本たちを供養するため始めたブログ

17冊目 自分はバカかもしれないと思ったときに読む本

『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』 竹内薫 著、読了。

 

自分はバカかもしれない、と私は常々思っている。一冊の本を読んで、それがすんなり身につくなら、どんなにいいだろうと思う。本を読めば読んだだけ知識が蓄積できるなら、学ぶことはこの上なく楽しいものになるだろう。でも、現実は違う。読み終わって「面白かった!!」と思っても、一晩経てば、内容の9割以上は忘れてしまっている。そんな時、シーシュポスか、或いは賽の河原の餓鬼のような徒労感だけが残り、私はバカだなぁと思う。そこで本書を手に取った。

ここで、またひとつ、自分のバカを上塗りしなければならないが、本書を読み終わったのは連休中のことだった。連休中は、ここぞとばかりに数冊の読んでいたために、この本の感想をここに記しておくのをすっかり忘れておった。あぁ、こんなにもおバカな私。

 

読んだことを忘れてるくらいなのだから、この本は大して面白くなかったのかと言われれば、そうではない。こんなおバカな私に、希望を持たせてくれるようないい本だった。内容を一言で言えば、憂歌団の「嫌んなった」である。

嫌んなった、もう駄目さ

だけどクサるのは止めとこう

陽の目を見るかも、この俺だって

本書によれば、努力と成果は比例関係ではないらしい。つまり、やればやるだけ身に付くようには、人間はできていないらしい。やれどもやれども成果が実感できなくて、俺ってバカかな、と疑心暗鬼に陥るかもしれないけど、それでも続けていると、ある日ポンっと壁を越えることができる。そういう日が必ず来る。だからそれまで腐らずに、コンティニュードゥーイングしようぜ!本書はそういって私を励ましてくれた。

因みに、以前取り上げた『絵はすぐにうまくならない』も同じような内容の一冊だった。「絵を描く→上手に描けない→面白くない→描くのを止めてしまう」という負のサイクルを脱却するために、ハードルを高く設定せず、毎日少しでもコツコツ描き続けることの大切さを説いていた。

 

たまたま同じ時期に読んだ本が、「自分の脳髄博士を信頼することの重要性」を説いていたことには意味があるだろう。多分、今の私に必要な心構えなのだと思う。

「読書百編意自ずから通ず」

本書の始めの方に、この言葉が引用されている。今後はこれを座右の銘に、腐らず焦らず、やっていこうと思う。