何冊よめるかな?

本棚の肥やしと化した本たちを供養するため始めたブログ

読んだ

2018-41 論壇の戦後史

奥武則 著『論壇の戦後史』読了 久しぶりに書店をウロウロしているときに平積みにされている本書を発見。私は最近、埴谷雄高に興味があるので、戦後史の流れの中で埴谷はどんな役割を果たしたのか知りたかった。本書の索引を見ると埴谷の名があったので、即…

2018-38,39 火星の人(上・下)

A.ウィアー著『火星の人』(上)(下)読了。 少し前、名作の誉れ高い某少年コミックを読んだ。全数十巻のうち、5巻まで読んでやめてしまった。どんな難局に陥っても、最終的には「気合」や「勇気」だけで乗り切ってしまう。今の私にはそれが興冷めにしか思…

2018-33,34,35,36,37 〈新〉英語をはじめからていねいに(入門編・完成編)、入門英文解釈の技術70

①安河内哲也著 『安河内の〈新〉英語をはじめからていねいに(入門編)』 ② 同 『安河内の〈新〉英語をはじめからていねいに(実践編)』 ③桑原信淑著『入門英文解釈の技術70』 読了 だいぶブログの更新が滞ってしまった。 絵の方はサボってはいない。絵の先…

2018-32 埴谷雄高 独白 「死霊」の世界

埴谷雄高 著『埴谷雄高 独白「死霊」の世界』読了 本書は1995年にETV特集で放映された同名の番組を書籍化したもの。埴谷自身が『死霊』について自己解説をした番組だ。 埴谷雄高とゆらゆら帝国(坂本慎太郎)には共通点があると思う。そして、その共通点に私…

2018-31 映画を作りながら考えたこと

高畑勲 著『映画を作りながら考えたこと』読了 数年前「かぐや姫の物語」公開記念として、テレビで高畑作品が放映された折に「ぽんぽこ」と「おもひでぽろぽろ」をあらためて観た。ジブリ作品を観るのは実に久しぶりのことだった。それまでどちらかといえば…

2018-29,30 美学への招待

佐々木健一 著『美学への招待』読了 私はビートルズがよくわからない。いや、普通に好きだし、かっこいいと思う。しかし、音楽雑誌や私の周囲の扱いをみていると、ビートルズは他のロックバンドとは一線を画すもののようだ。ロックの歴史を考えたときに、特…

2018-28 諸星大二郎の世界

コロナ・ブックス編集部 編『諸星大二郎の世界』読了 まえがきによれば、本書は「その圧倒的画業の変遷と、作家自身の深層を掘り下げることを目的として作成」された一冊である。諸星の作品群を「古代」「民族」「東洋」「南方」「西洋」「日常」という六分…

2018-27 がん哲学外来へようこそ

樋野興夫 著『がん哲学外来へようこそ』読了 母に膀胱がんが見つかった。死に至る病であるがんとどう向き合えばいいのか。そんなヒントを求めて、本書を手にとった。前回の立花隆 著『がん〜生と死の謎に挑む』の中で著者のことを知った。 これは新潮新書全…

2018-26 がん 生と死の謎に挑む

立花隆 著『がん 生と死の謎に挑む』読了 先日、母が血尿を出した。病院にて膀胱がんとの診断が下った。 本書は以前、母が別のがんで手術を受ける前に、一度読んだのだが、そのとき著者が膀胱がん患者であることが記されていたことを思い出し、改めて再読す…

2018-25 埴谷雄高は最後にこう語った

松本健一 著(聞き手)『埴谷雄高は最後にこう語った』読了 埴谷雄高の書くことは難しい。埴谷雄高の語ることはおもしろい。 本書は埴谷雄高が鬼籍に入る、およそ二年前に行われたロングインタビューを書籍化したもの。難解な形而上小説『死靈』の理解の一助…

2018-24 生命に部分はない

A・キンブレル 著、福岡伸一 訳『生命に部分はない』読了 訳者の前著『生物と無生物のあいだ』『世界は分けてもわからない』を読んだことがあり、いずれもとても面白かったので、本書も気になって手にとった。 「動的平衡」に関する内容かと思って読み始めた…

2018-23  イラストオペラブック1.トゥーランドット

プッチーニ 作、伊熊よし子 解説『イラストオペラブック1.トゥーランドット』読了 偶然、パヴァロッティの《誰も寝てはならぬ》を、YouナントカTubeで観て雷に打たれてから、一年ほど経つだろうか。そういえば大本の物語を知らなかったな、と本書を手にと…

2018-22 ストラディバリとグァルネリヴァイオリン千年の夢

中野雄 著『ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢』、読了 兄弟子の推薦図書。 天才バイオリン職人、アントニオ・ストラディバリ。奇才バイオリン職人、グァルネリ・デル・ジェス。2人を中心に、バイオリンという楽器の魅力を記した一冊。 著…

2018-21 「ない仕事」の作り方

みうらじゅん 著『「ない仕事」の作り方』読了 みうらじゅん先生によって著されたビジネス書。 私は三日坊主で、何ごとも長続きしない。どうすれば長続きするのか、その極意を知りたくて本書を手に取った。 人はよくわからないものに対して、すぐに「つまら…

2018-20 おもいでエマノン

梶尾真治 著(鶴田謙二 イラスト)『おもいでエマノン』読了 私は漫画やアニメ、映画、音楽などが好きだ。私と同様の趣味を持っている親戚がいる。先日、そのひとから、私の好みに合いそうだいうことで、『おもいでエマノン』という漫画を紹介してもらった。…

2018-19 近現代の芸術史Ⅰ〜欧米のモダニズムとその後の運動

林洋子 編『近現代の芸術史Ⅰ〜欧米のモダニズムとその後の運動』読了 知識は系統的に学ばなければならない。それが師匠の基本的な教えだった。何かを系統的に学ぶということ。まずは、そのことについての歴史を学ぶということだろう。科学なら科学史、哲学な…

2018-18 正しい保健体育Ⅱ〜結婚編

みうらじゅん 著『正しい保健体育Ⅱ〜結婚編』読了 『正しい保健体育』の続編。『正しい保健体育』は、主に思春期の過ごし方について書かれていたけれど、本書は結婚生活について書かれている。読んだのは今回がはじめて。 本書にも本当のことが、たくさん書…

2018-17 正しい保健体育

みうらじゅん 著『正しい保健体育』読了 読むのは今回で4度目くらいだろうか。 私は本書を、数少ない「本物の名著」だと思っている。なぜ、本書は「本物の名著」なのか。それは、本書には、「本当のこと」が記されているからだ。 「本当のこと」は、しばし…

2018-16 一休・骸骨

乃木 著『一休・骸骨』読了 本書のことを知っている人は少ないと思われる。なぜというに著者はプロの作家ではないからだ。著者の本業は映像クリエイターで、ダニエルさんという画家の方と一緒に「カエサルの休日」というpodcast番組を主宰されている。 私は…

2018年の15冊目 炭水化物が人類を滅ぼす〜糖質制限からみた生命の科学

夏井睦 著『炭水化物が人類を滅ぼす〜糖質制限からみた生命の科学』読了 今年、新年を迎えるにあたって、3つの目標をたてた。 1年間で50冊以上の本を読む デスボイスをマスターする 1日、10分でもいいから、毎日、絵を描く 目標は破られるためにある。あ…

2018年の14冊目 生物から見た世界

『生物から見た世界』 ユクスキュル/クリサート 著 日高敏隆/羽田節子 訳、読了 今年1月、師匠が亡くなった。師匠は大変な読書家で、3日に一冊というペースで読書をしておられた。弟子のなかでは、比較的読書をする方だった私には、いつも本の話をしてくれた…

13冊目 どんな本でも大量に読める「速読」の本

宇都出雅巳 著『どんな本でも大量に読める「速読」の本』読了 一言でいえば、「ゼロではない」ということだ。 とにかく本を眺めながら、パラパラとページをめくる。理解しようとか、解釈をはさもうとせず、ただ、物理的にページを繰る。難しそうだとか、時間…

12冊目 銀河英雄伝説10〜落日篇

田中芳樹 著『銀河英雄伝説10〜落日篇』読了 本巻の主要トピック ・ラインハルト、ヒルダと結婚 ・柊館炎上 ・シヴァ星域会戦 ・ルビンスキーの火祭り ・地球教壊滅 ついに、「銀英伝」本伝も最終巻。物語全体を通せば、本巻はクロージングに当てられている…

11冊目 銀河英雄伝説9〜回天篇

田中芳樹 著『銀河英雄伝説9〜回天篇』読了 本巻の主要トピック ・ヨブ・トリューニヒト、新領土総督府高等参事官就任 ・ラインハルトの求婚 ・ウルヴァシー事件 〜ロイエンタール元帥叛逆事件(新領土動乱) ・第二次ランテマリオ星域会戦(双璧の争覇戦) …

10冊目 銀河英雄伝説8〜乱離篇

田中芳樹 著『銀河英雄伝説8〜乱離篇』読了 本巻の主要トピック ・回廊の戦い ・フェザーン遷都 ・イゼルローン共和政府樹立 前に、第5巻のところで、戦記物としての「銀英伝」は、最大の山場をむかえると記した。本巻では、ドラマとしての「銀英伝」のひ…

9冊目 銀河英雄伝説7〜怒濤篇

田中芳樹 著 『銀河英雄伝説7〜怒濤篇』読了 本巻の主要トピック ・ヤン艦隊、イゼルローン要塞を再奪取 ・ マル・アデッタ星域会戦 ・冬バラ園の勅令公布(自由惑星同盟の滅亡) ・ロイエンタール、新領土総督就任 本巻において、銀河を二分した勢力のひと…

8冊目 銀河英雄伝説6〜飛翔篇

田中芳樹 著『銀河英雄伝説6〜飛翔篇』読了 本巻の主要トピック ・キュンメル事件 ・地球教本部壊滅 ・ヤンの不正逮捕(反和平活動違反疑い)〜ハイネセン脱出 ・エル・ファシル独立宣言 新生銀河帝国の宇宙統一により、しばらくは平和が保たれるかにみえた…

7冊目 わたしの本棚

中江有里 著『わたしの本棚』読了 母の従姉妹が貸してくれた本。著者の読書体験を綴ったエッセイ。私は、以前から読書感想を、なるべく簡潔に書きたいと思っていた。だが、どう書けばいいのかわからずにいた。本書には24冊の本が取り上げられており、一冊あ…

6冊目 銀河英雄伝説5〜風雲篇

田中芳樹著『銀河英雄伝説6〜風雲篇』読了 本巻の主要トピック ・ランテマリオ星域会戦 ・バーミリオン星域会戦(ヤンの求婚) ・バーラトの和約 ・ローエングラム王朝の樹立 戦記物としての本書は、この巻で最大の山場を迎える。約2世紀に亘って続いた、…

5冊目 占星術殺人事件 改訂完全版 ※ネタバレあり

『占星術殺人事件 改訂完全版』 島田荘司 著、読了 先日、急に身内の付き添いで病院に行くことになった。病院に行くときは、待たされるのが常であるため、必ず本を一冊持っていくのだが、このときは、ほんとうに急だったので、カバンに本を入れ忘れてしまっ…